宙組公演 バウ・ポピュリスト・コメディ『記者と皇帝』/宝塚バウホール

正直言ってシナリオは、まとまりがなくてあまり大したこと無いと思いました。コメディとしてもなんか中途半端。でも演じているメンバーの質は高い。特に主演のみっちゃんのタップダンスとか歌唱はさすがのひと言。素晴らしかった。

でも今回、心に強く残ったのは舞台後の挨拶。以下、記憶を頼りに書いていきます。

「今日の舞台の中で歌われる曲に『みんな一人ひとりが手を取り合って共にこの町の未来を築く』という歌詞があります。まさに今の日本がそうだと思います。私たちは舞台から皆様に力を与える存在になりたいと思います。」

･･･と、このような事を言われたかと思います。それだけでも感動的だったのですが、その直後、他の組子から「お誕生日おめでとう」のサプライズコールが･･･

本人には全く知らされていなかったので凄く驚いて、感謝で涙ぐんでいらっしゃいましたが、その後のコメントがまた感動的でした。

「震災で多くの方が亡くなられた中で、このように自分が誕生日を迎えられることを神様に感謝したいと思います。被災地では今でも辛く大変な中で誕生日を迎えられた方、また誕生日を迎えられずに亡くなられた方もたくさんいらっしゃるかと思います。私たちはその人達の分まで精一杯生きていかなければなりません。元気に日本を立て直していきましょう。頑張りましょう。」

と･･･。

記憶を頼りに書いているので不正確なところがあるかもしれませんが、一人の舞台人として、観客のみならず全ての日本の全ての人に勇気と希望を与える挨拶であったことだけは確かです。
本当に素晴らしかった。心の底から尊敬します。きっと普段からそのような思いで舞台に立っているからこそ、このような時でもすぐ言葉が出てくるのでしょう。まさに舞台人、かくあるべし。