花組公演 Musical『舞姫』−MAIHIME− / 日本青年館大ホール

日本青年館まで観に行ってきました。日本青年館って明治神宮の近くにあるんだね。信濃町から歩いていくと、途中でTORITANIとかAKABOSHIとか名前が入った見慣れたユニフォームの連中がゾロゾロと…（＾＾；　どうやら隣の神宮球場でタイガースとスワローズのオープン戦をやるらしい。ちょっと見たい気もしたが、一路会場へ…。

入館してプログラムを買う。前にバウホールでやったときも買いましたが、出演者も増えたし、内容も東京公演のプログラムはちょっと違うのでまた買いました。

さて、内容についてですが…　最初のドイツへ旅立つところから、いきなり涙目の俺 自重しろｗ（＾＾；　いや〜、来る途中もサントラで聴いてたから、もう、すぐ物語に入っちゃうんですよね。凛々しい豊太郎の希望に満ち溢れた歌声が胸に響きます。

日本青年館はバウホールよりも広くて、音響とかどうかなと思ってましたが、みわっちの歌声は終始、大きく包み込むように全体に響いていました。ここ最近は、女役とか濃い悪役とかイレギュラーな役が多かったけど、こういう正統派の男役がやっぱりいいわ〜　みわっち格好いいよ〜

他の出演者も、前回と同じく期待どおりの素晴らしさでした。

シリアスな物語の中にあって、コミカルな要素で作品にアクセントを付ける存在の岩井くんを演じたマメちゃん。バウの時よりも笑いとってたｗ　マリィを演じた由舞ちゃんも、相変わらず綺麗で可愛いし（さらに巨○ｗ） チャーくんも前回「無駄に格好いいｗ」と言われた姿そのままで敵対する上官を演じていました。

それから芳次郎を演じたみつるくん。いいねえ…　自身の夢と誇りに生きる画家を哀しく、そして強く演じきりました。あの最期の「…マリィ…」のセリフは今、思い起こしても泣ける…　｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡

周りを固める専科のお三方も、それぞれ物語をしっかり支える深みのある演技でした。（みとさんは前回は副組長だったけど今回は専科としてのご出演です）

そして相沢謙吉を演じたまっつ。…ちょっとセリフに詰まるところがありましたが、それよりもなんといっても、あの二幕ラストのエリスを説得するときの歌…　もう素晴らしすぎる…　前回も一番のクライマックスでしたが、より素晴らしかったんじゃないでしょうか…

友の行く末を思い、たとえ憎まれようとも帰国させようとする誠実さと思いやりの心が胸を打ちます…　そしてそれが哀しい結末へと繋がっていく…

エリスを演じた野々すみ花ちゃん　…いやもうなんと言ったらいいんでしょうか…　儚く、哀しく、美しく、そして純粋な心で豊太郎への一途な愛に生きたエリスを、本当に物語の中から抜け出てきたように演じていました。もう凄いとか素晴らしいとか簡単な言葉では言い表せないような姿でした。

前回の舞台での姿を観て、一発でファンになってしまった私ですが、今回も前回と同じく、いやそれ以上の存在として舞台上で輝いていました。　…はあ、こんな子が本当にいるんだなってことを、今になって驚きとともに実感します。

「…トヨ」　あの声を思い出しただけで泣ける｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡　歌声も綺麗だし、みわっちと二人で踊る姿も優雅だったし…　これからもどんどん素晴らしい舞台で活躍して、宝塚歌劇を代表するような娘役さんになって欲しいと思います。

それ以外にも、もっといっぱい書きたいことがあります。たとえば、今回再び観劇して改めて植田景子先生の脚本・演出の素晴らしさを実感しました。前にも「Shijo's Takarazuka Revue Award 2007」っていう内容の中で書きましたが、景子先生の女性演出家ならではの、優しさや美しさを感じさせる舞台創りが大好きです。あのベッドで二人が本を読んでいるシーンは、今日も本当に微笑ましかった（あれはゲーテの『ファウスト』を読んでるみたいですね）

それでやはりラストの病院での要返しのシーン。　…いやあ、泣いた泣いた（＾＾；　もう普通に後から後から涙が出てくるもんな。久しぶりに観劇して泣きました。だけどとっても清々しい気持ちです。

甲斐先生の音楽も、それぞれシーンにマッチしていて素晴らしい。リボンの騎士 ザ・ミュージカルの曲も素晴らしかったけど、こちらの曲も本当にいい。…特に最初と最後に豊太郎が歌う「我が志（旅立つ君へ）」の旋律は本当に美しく雄大だ。「美しき国」の「移ろう季節と雅の心」という歌詞も、本当に「日本」という国への純粋な愛を感じさせてくれます。

もう、書き出したらキリがないわけですが、それぐらい素晴らしい舞台だということです。こちらのスポニチの記事にもありますが、本当に宝塚歌劇を代表する演目になって、これからも再演されるようになって欲しいと思います（特に若手を抜擢する舞台となって欲しいと思います）

こういう「心に残り続ける舞台」を観ることができるというのが、ファンにとって最高の幸福です。今後もこのような素晴らしい作品を作り続けていって欲しいと思います。

p.s.
そんなこんなで素晴らしい舞台だったわけですが、今回の東京公演で初めて観た方も多いと思いますが、今日はひどかった（＾＾；　前も横も私の周りの人、みんな泣いてるもんなｗ　後ろの女性の人が、一幕終わった直後は「評判を聞いて期待してたけど、まだ全然泣くようなとこ無いね〜」なんて話してたのが、二幕終わった後に見たら、完全に涙腺崩壊してらっしゃってﾜﾗﾀｗ