至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

Musical『舞姫』−MAIHIME− / 宝塚バウホール

花組バウホール公演に行ってきました。今回の原作は森鴎外の『舞姫』 …原作については学生時代に教科書で出てきたのを読んだぐらいでしょうか。なんかすごい文語調だったような記憶がありますが…

さて今回の舞台についてですが、一言でいえば『青春』です。もともと『舞姫』は鴎外の自伝的小説の色合いが濃いと言われていますが、鴎外のように同じく明治の時代のエリートである太田豊太郎の青春を描いています。

日本が近代国家となるための必要な知識を学ぶために、ベルリンに留学した豊太郎はそこでエリスという少女と恋におちる。…しかし、彼には国家のために身を尽くさなければならないという使命がある…

自身の恋慕と祖国の使命の狭間で苦悩する若者の、その純粋な愛と一途な心情を見事に描いています。これは傑作。感動しました。原作『舞姫』をもとに、日本が近代国家になるための礎となった若者の、その青春の1ページを宝塚歌劇の魅力とともに美しく、そして哀しく切り出しています。今回は特に「歌」が多かったと思いますが、それぞれの楽曲も舞台にマッチしていて良かったです。
では演者ごとの感想を…

  • 音羽/太田 豊太郎

前回公演の黒蜥蜴の時は目立たない役柄だったと思うのですが、今公演の主演です。春野さん、真飛さん、壮さんと続いて4番手の方となるのでしょうか…
なぜ最初にそんな事を書くのかというと、前回でなぜ目立たない役だったか不思議なほど、演技・歌唱ともに主演たる実力を兼ね備えた方だと思ったからです。
豊太郎の純粋なまでの愛と心情を、その姿、歌唱を持って演じられてました。最後の歌唱では涙が光ってました。個人的には真飛さんと並んで凄く好きなタイプの役者さんです。今後も注目したいと思います。

前回の黒蜥蜴では早苗役の方。これはもうエリスの儚さ、美しさ、哀しさ、そのすべてが表現されていて素晴らしかった。エリスの一途な愛の姿は誰が見てもその心を打つでしょう… 本当に抱きしめたくなるほどの姿でした。

  • 華形ひかる/原 芳次郎

豊太郎に夢に生きる自由な精神を目覚めさせる画家。こちらもその容姿と役柄がマッチしていて良かったです。今後、主役クラスを演じる存在になられるような予感がしました。

  • 未涼亜希/相沢 謙吉

豊太郎の親友。なんかまだ「マインドトラベラー」のマッドサイエンティストのイメージがありますがw 今回は豊太郎の親友として真摯に彼の行く末を心配する友の姿を、手堅く演じられていました。歌唱も変わらず素晴らしかった。

  • 日向 燦/岩井くん

いや本当は岩井 直孝という役名なのですが、ここでは岩井くんw 今回の物語は哀しい話なのですが、その中にあって彼のコミカルな存在が物語のアクセントとなっていて非常に良かった。日向さんもその期待に応えて岩井くんの頼りなくも愛らしい姿を非常に上手く演じていて良かったです。これまではスカステのレポーターの印象が強かったのですが…w まあしかしあまり便所の水は汲まないようにw(岩井くんは衛生学を学ぶ留学生)

その他の方々もそれぞれ良かったですが、今回はここまで。


ああ、しかし今回の舞台はなんかちょっと自分の青春時代も思い起こさせますね〜 なんかこう胸がしめつけられるというか、切なくなるというか… 誰の心にもある青春の面影を、宝塚歌劇の愛の物語として美しく哀しく表現したこの舞台はやっぱり傑作だと思いますよ。

ラストの舞扇のシーンは泣けたわ〜… いい歳した男が舞台みて泣くっていうのも端から見ればキモいかもしれませんがw なんか舞台を観るときはスイッチ入ってるというか、涙腺がかなり弱くなってますんでw いや申し訳ない… でもこれは泣きますよ、やっぱり。あの「…トヨ」って声が耳に残って離れない〜

ああエリスかわいそう…><  俺だったら絶対ベルリンに残ってるわ〜w と、いうかそういう重大任務は絶対任せられない人間ですがw

本当にこういう方々が身を賭して築いた「美しい国 日本」を現代の人間はしっかり守っていかないといかんよ、まったく… と、最後は自分のことは棚に上げて終わっておきますw