選択肢
実は、こちら記事については前から気づいてましたが、敢えて「スルー」しようと思っていました。それは、あまりにも娘。の名前が唐突に出てくるので、いまいち正しい意図を伝えきれていない記事になってるのでは? と、思ったからです。
しかし、id:Moon-Riderなどで取りあげられているのを読んで、私も今は一介の宝塚歌劇ファンであるので、少しばかり言及します。
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070304/ent070304002.htm
こちらの記事についてですが、まずこの記事については、以下も参考になるかと思いますので、同じく引用しておきます。
花論星論 トップの任期 貴城けい退団に思う
http://www.sankei.co.jp/enak/sumirestyle/2007/feb/kiji/19sumire_ron.html
いずれも、先月退団された宙組の貴城けいさんに関しての内容です。
この「ハローグッバイ」と呼ばれるトップ就任で1公演限りの退団については、ファンの間でも相当物議を醸しました。それだけ言ってみれば「常ならない」ことだったわけです。
そういった背景から、各メディアのコラムニストも今回の件をいろいろ分析しているわけですが、そこに娘。の名前が出てきたということです。
分析としては、「トップ就任の高齢化」「曖昧なトップ期間」「スターの分散」が挙げられています。 …しかし実際はそれ以外にも様々な要因はあると思います。
あれだけ伝統ある劇団であり、しかもそこには多くの生徒、そしてファンが存在する。その中でトップになれるのは、たった5人なわけです。そのトップ選定には本当に多くの要素が絡んでいるのだと思います。記事のタイトルだけだと「娘。に人材が流れた」みたいな形になってますが、それはこの記事の意図するところではないと思います。さすがに娘。と宝塚歌劇だと、そもそもの立ち位置からして違います。
まず、娘。と違って宝塚歌劇では一度トップになったら降ろされることはありません。ずっと主演を務め、あとは退団するのみです。娘。のように「ロックだ」の一言による冒険的な施策は、なかなかできないという側面があります。
しかし、それが宝塚歌劇の閉塞感を招いているのではないか? という意見については、確かにそういう部分も少しはあると思います。
私も、実際に宝塚歌劇を観るまでは、歌舞伎や能などの伝統芸能と同じように「特定の嗜好の人達だけが観るもの」という認識でした。しかし実際は老若男女全てに通じる素晴らしいエンターテイメントであることが分かりました。(歌舞伎や能もそうかもしれません。私は観たことがないので)
でも、現在の宝塚歌劇については、まだまだかつての私と同じ印象の人が多いと思います。そういった面に対する対外的な改革は、ある意味必要であるといえます。タカラヅカ・スカイステージが5月からケーブルテレビのJ:COMで新しく観られるようになりますが、そういったことは門戸を外部に開くという意味では、いい施策だと思います。
今後はどんどん少子化が進み、さらには価値観の多様化で、若者には多くの選択肢が存在します。これからは待っているだけではなく、積極的に人材確保に努めなければならないのは、別に宝塚歌劇だけではなく全ての分野に言えることです。そういった改革も確かに必要ではあります。
しかし、最も大切なことは、やはり「充実した舞台を創りあげる」ということだと思います。そういった王道とも呼べる努力が一番であると私は考えます。それこそが、新しくファンを呼び、ひいては劇団の充実にも繋がると思います。
そしてトップについては、石井氏が提案されているような「期間限定」というのも1つの方法であると思います。その点は伝統もあり、なかなか難しいと思いますが…
本当にもうすぐ100年という歴史を数える世界的にも類を見ない劇団である宝塚歌劇の、今後の発展を期待して止みません。ひとりのファンとして、ハロー!プロジェクトとともにずっと寄り添っていきたいと思っています。
p.s. しかし、名前を出してもらえたというのは、こそばゆいが、やはり嬉しくはある。
以前なら宝塚歌劇に入団していただろう逸材も、「モーニング娘。」や舞台のオーデションを受け、一足飛びで主演の場を求めることが可能になっている。
http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070304/ent070304002.htm
これのことですか?w → 川*’ー’)