雪組公演『星影の人−沖田総司・まぼろしの青春− / Joyful!!II』/ 中日劇場
行ってきました。水夏希トップスターお披露目公演ということで、中日劇場へ。まさか宝塚歌劇で遠征するようになるとは去年までは思ってもいませんでした。
会場内はさすがお披露目ということもあって、ほぼ満席状態でした。
宝塚歌劇でトップスター（主演男役）ということは、名実ともにその組を率いる存在ということで（組長さんは別にいらっしゃるが）水さんも並々ならぬ気持ちで舞台に臨まれたかと思います。
まず最初の『星影の人』では水さんは沖田総司の役。和物を演じる水さんを観るのは初めてですが、かなり爽やかな役作りをされていて、以前の『堕天使の涙』のジャン・ポールとは全然違った印象でした。
沖田総司といえば新撰組の中でも天才剣士として名を馳せた存在ですが、この舞台でも多くの殺陣シーンでそれを感じさせてくれます。
水さんが志士相手にバッタバッタと薙ぎ倒していくのは、なかなか爽快でした。
しかしそこは宝塚歌劇。この舞台では幕末の荒々しい時代の流れよりも、沖田と芸妓・玉勇とのラブロマンスが中心です。…それ以外にも女中・おみよや医者・良玄の娘 早苗にも思いを寄せられる総司。いやさすがトップになるとモテモテだなあと思いましたｗ（沖田総司も美男であったらしいし）
沖田は胸の病で志し半ばで倒れるわけですが、その限られた命の中で新撰組の隊士としての自分を全うしようとする姿を、誠実に爽やかに演じられていたのが印象的でした。…そして個人的な印象としては、その新撰組と新生・雪組とがダブって感じられました。
「限られた命の中で、どこまで歩いてゆけるか…」
その沖田総司の姿が、雪組トップスター・水夏希の姿と重なるように感じました。…トップになったということは、同時に退団へのカウントダウンも始まるわけですが、水さんにはできるだけ長く、雪組トップとして活躍してほしい。そして多くの素晴らしい舞台を私達に届けて、タカラジェンヌとしての人生を素晴らしい形で全うされることを祈っています。
では、他の出演者の方々の印象を。
- 白羽ゆり（玉勇）
いや見事。…なんか娘役トップの方について書くときは、いつも同じようなことを書いてますが、実際素晴らしいんだからしょうがない。白羽さんは、前・星組の娘トップでしたが、今回から雪組に組替えとなって水さんとのコンビです。さすがトップを務められていた方ということで、非の打ち所がないような舞台でした。途中でてくる日舞？の舞いや、総司に想いを寄せ、その愛一途な姿を、京の香りとともに見事に表現されていました。…一緒に観に行った普段あまり宝塚歌劇を観ない友達も一番よかったと言ってました。
こちらの方も花組から組替えで今回から雪組の舞台出演です。…またこれが素晴らしい（こればっかりｗ）実直というか、質実剛健というか、そういった土方の存在を、溢れるばかりの男役で演じられています。パッと見は宙組の大和さんにも似た印象。そして歌唱もまた素晴らしかったです。
- 晴華みどり（早苗）
今回の舞台で私の注目だったのがこちらの方。前回の『堕天使の涙』ではそれほど目立った役柄ではなかったので、今回は抜擢だったのでしょうか…？
医者・良玄の娘で総司に想いを寄せる役どころでしたが、総司に余命を告げる要のシーンを、医者としての誠実さと揺れる女心とともに演じられていてよかったです。ソロの歌唱も見事。
続いてダンシング・レビュー『Joyful!!II』について
こちらは凄い。もうダンサー・水夏希の魅力爆発って感じでした。キレのあるターン。軽やかなステップ。キメのポーズ。どれをとっても華麗でしなやかで美しい。観ている時間があっという間に過ぎました。
帽子をかぶったスーツ姿の水さんの格好良さは誰も勝てないんじゃないかなｗ
と、いうわけで新生・雪組は水さんとともに、これからたくさんの素晴らしい舞台を私達に届けてくださると思います。本公演『エリザベート』も今から本当に楽しみにしています。
p.s. …まあ、愛たんもあそこまでに成れとは言わないが、あの全身で観客を楽しませる姿というものは、もし観に行ったなら感じ取って欲しいと思います。
