「王妃」 …偉大なる母の愛
人はこの世に生まれるとき、必ず母から生まれ出づる。そう、人は生まれながらにして母の愛を受けることができる。母の愛とは…
これは「慈しみ」ではないかと思います。特にこのミュージカルで語られている部分はそこだと思います。
私が王妃で最も好きなシーンは、牢獄で囚われの身となったサファイアを諭すシーン。ここでは冒頭の庭園のシーンと対比して、もう一度、人を思いやる心が歌われます。…最近は、「リボンの騎士」よりもこのシーンの方がより泣けるようになってきました。
王妃である母は、国の掟に従いつつもずっと我が子サファイアに女としての幸せを願っています。それが叶わぬ願いであることにずっと苦しみ続けます。しかし母としてサファイアに慈しみの心…「慈愛」を教えることは忘れません。
母からの慈しみの心をうけ、サファイアは人を愛することを学びます。人を愛することの尊さを知って生きていきます。
ラストのシーン。母への愛から魂を魔女に明け渡し、そしてまたフランツへの愛から自ら死を選んでも「幸せ」なのは、人を愛することこそが幸せであると知ったサファイアの姿そのものです。
偉大なるかな… 母の愛。このミュージカルは「慈母愛」も教えてくれる…