二人の騎士

３人目のフランツ・松浦亜弥が登場しました。ハロー！プロジェクトの中でも高橋愛と唯一、同い年の松浦さんが高橋愛演じるサファイアとどう絡み合うか、興味津々でした。最初の昼夜２公演観た感想は、まず

人間味溢れるフランツ

であったと感じました。
今回、松浦さんはフランツ役を演じるにあたって、ほとんど男役というものを作ってきていません。これはちょっと意外でした。もっと男声で役に入ってくるかなと思っていたのですが、ほとんど全体的に松浦さんそのままだったと思います。（特に昼公演では）
しかしそれが、なっちの時のように安倍なつみを強く感じさせるかといえば、そうではなく「ああこういう王子様なのか…」という印象を最初に持ちました。
敢えて潔く男を演じるのを捨てたのか、またはそのままの自分自身を出しても大丈夫という自信なのかは分かりませんが、とにかく石川フランツとはまた違った王子がそこにいました。男を演じようとしていないのに、女ではなく、あくまで王子である姿が印象的でした。

一番注目していたのは、やはり牢に囚われの身となるシーンでの独白。
まだ２回しか観ていないのでその印象でしか書けないのですが、気品溢れる潔さの石川フランツとも、運命に苦悩する安倍フランツともまた違った、あくまで人間的な、王子の姿がそこにありました。「庶民的」という言葉とは違う…　やはり「人間的」という言葉で表現すべきかなと思っています。

最初の昼公演はやはり初演ということで、緊張もあり、芝居の動きとしてはぎこちなくちょっと機械的なところもありましたが、セリフの乱れはほとんどなく、その辺はさすがだと思いました。カーテンコールの時の第一声、「ほっとしました」は本当に正直な言葉でしょう。

そして特筆すべきは夜公演。緊張もとれ、さらに「松浦フランツ」の魅力が増大します。

まずはやはりその歌唱。見事だった。思わず歌い終わったあと「見事だ」と小声でつぶやいてしまいました。全ての歌唱において申し分なかったと思います。男歌ではないけれど、まさしくあれが「松浦フランツ」の姿なのでしょう。

演技については、これもやはり全体的に人間味溢れるものを感じました。特にラストのシーン。サファイアに対して「何故…」と問いかけるところ…　これは私は石川フランツも松浦フランツもどちらも好きだなあ…　あくまで王子の気品を保った石川さんもいいし、人間味溢れる松浦さんもいい…　とにかくどっちも格好いい。

明日以降、また松浦さんのフランツに会えるのが楽しみです。