どうしてこんなに泣けるのか
先週末の土日に「リボンの騎士 ザ・ミュージカル」4公演を観劇しました。
いやもう、とにかく4公演とも泣きまくりでした… 普通ならば同じ舞台だから一度二度観れば、どこでどんなシーンだとか、どんなセリフを言うのだとか覚えてしまうので観るにつれてだんだんと収まっていくものだと思いますが…
今回は逆に観れば観るほど涙する場面が増えていきました。
それはやはりまず、演じている人達に思い入れがあること。これが最初の理由として挙げられます。愛するハロー!プロジェクトのメンバーが演じる舞台。その内容が素晴らしければ素晴らしいほど私の中でその感動は深くなっていきます。
そして次に、『リボンの騎士』という物語にも思い入れがあるということ。…私の世代の人間は一度は必ず『リボンの騎士』に接しています。子供心にその物語の美しさが心に残っています。
そして一番大きな理由は、そこに表される「人間愛」…これに尽きると思います。
ここでも何度でも書いているように、私は人の絆、そこに込められる愛、そしてその限りある命の尊さ、そういったものが人生で一番大切なものだと思っています。このミュージカルではそれを美しい旋律で歌い上げてくれる… それが観るごとにわかればわかるほど、涙があふれます。
私は恥ずかしながら、これまで映画のミュージカルはいろんな作品を観てきましたが、本格的な舞台のミュージカルを観たのはこれが初めてです。そしてこれまで観た映画のミュージカルも、どちらかというとコミカルなものばかりでした。
ここで初めて舞台で演じられるこのミュージカルを観たとき、言葉が歌として放たれるとこれほどまでに胸にしみ込んでくるのか…と驚きました。同じセリフでも、美しい旋律に乗せて歌われると、これほどまでに胸を打つのかと…
このミュージカルをご覧になった方の中には、非常に多くのミュージカルを鑑賞されていて、それらと比べ、やはり足りない部分を批判されている方もいらっしゃいます。その批判は当然出てくるものだと思います。いくらハローのメンバーが頑張っていたとしても、これまでミュージカルを専門にやってこられた方々に敵わないのは明らかです。
それは今回出演されている箙かおるさんの姿と比較しても分かります。
しかし私はそこから感じることのできる感動は同じものだと思っています。例えば、今は夏の高校野球大会が行われていますが、メジャーと比べて技量が足りないからといって彼らの姿は全てそれに劣るものでしょうか…? もしそうであれば、これまで長年にわたって放送もされてこなかったと思います。
技量が足りなくても伝わるものはある… 私がこの4公演で流し続けた涙は何の偽りもないと自信があります。いや、これまでの彼女達が見せていた技量と比べれば、格段に違っています。そして最も違うのは、彼女達がこのミュージカルに懸けた思いがそこにある。
手塚治虫、宝塚歌劇、そして夏休みに40公演も行う… そのようなこれまでに前例のない使命を与えられて、それでも彼女達は少しもひるまずに、この舞台を創りあげてくれました。
こんなにも素晴らしい舞台を…
その人の心の結晶が、人の心を打たないわけがない。…私はこの舞台を観て涙を流すことを少しも恥ずかしいことだとは思いません。この公演が終わるまで、彼女達の舞台を観て涙を流し続けたい。
この舞台はまた、涙が人間だけに与えられた素晴らしいものであることに気づかせてくれました。