朗読劇『私の頭の中の消しゴム』/天王洲 銀河劇場
こちらも昨日、観に行ってきました。これは確か元は韓国の映画ですよね。若年性アルツハイマーという難病にかかった妻に大いなる愛をもって尽くす夫の物語。
朗読劇というと以前に愛華みれさんが出演されたものを観に行ったことがありますが、今回のように2時間丸々それという本格的なものは初めてでした。物語の進行を台本を読みながらすべて朗読で進めていくということは、よりセリフの発声とそれに対する感情移入に重きが置かれるということですが、いやいや今回のお二人は素晴らしかったです。
特に夫役を演じた佐々木喜英さんは良かったねぇ…
私は普段は宝塚歌劇ばかり観てますので、あまり男性の役者さんに直接触れる機会はありません。このような外部舞台に高橋愛が出演になるときぐらいしかその機会は無いのですが、その時々で素晴らしい俳優さんに出会えることがあります。
今回もその内の一つ。佐々木さんのどこが良かったかというと、まず「声」が良いです。以前にも書いておりますが私の中では「声」というのは非常に重要な要素でありまして、歌手でも俳優でもその「声」が良いか悪いかとか、それは結局好きか嫌いかになるわけですが、それに凄くこだわるところがあります。
そして今回の佐々木さんは私の好きな「声」なんですよねえ… 始まって最初の一発目のセリフを聞いた瞬間、「あっ！この人いいわ」と思わせる「声」でした。…良い役者さんというのは、その「声」がもう芝居映えするというかハマっているものだと思います。まさにそういう「役者声」でした。
それから演技も若い魅力に溢れたもので、病魔に冒されていく妻の薫に対する真摯な愛情がストレートに伝わってくる演技で良かったです。…高橋愛も良かったけど、どちらかというと彼の演技に泣かされましたね。物語もどちらかというと夫の方がメインの内容でもあるし…
そういった面ではちょっと彼に持っていかれてしまった感もあって、高橋愛ファンとしては少し嫉妬の感情も正直芽生えましたｗ（まあ二人の夫婦愛を見せつけられたという面でも嫉妬心はありますがｗ）
あまり高橋愛以外のことを書いていると怒られそうなので、ここからは彼女について。
まあ演技に関しては、特に言うことはないでしょう。…と、書くと本当に怒られそうですがｗ いや本当に毎回ちゃんとやるべきことをやっていらっしゃいますので、今更どうこう言うことはないというのが率直な感想です。なんかファンの立場からすると毎回「素晴らしい」とか「良かった」とか書くのも照れくさいというかなんというか…ｗ 複雑なものですなｗ
でもそれだと淋しいので一つ書くと、今回は若年性アルツハイマーという難病に徐々に侵されていくという役なので、後半はその部分が演技の多くを占めるようになります。特にラストのほとんど夫の顔も分からなくなってしまって、言葉も理解できなくなってしまったけれど、その姿だけはずっとそのままという段階での彼女の「白痴美*1」ともいえる表情が印象深いものでした。
「声」の部分でもファンは皆知っていますが、知らない人は病に侵されたときの彼女の声を聞いて少々驚いたんじゃないでしょうかｗ あの「童心に還っていく」演技は、なかなか素晴らしいものでした。
こういう彼女の姿を観ると、やっぱり「女優 高橋愛」を求める心が強く湧き上がってくるんですよねえ… 私の中で。
まあそれは将来の楽しみとしてとっておきましょう。ではでは。
