至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

王朝千一夜『大江山花伝』−燃えつきてこそ−/ファナティック・ショー『Apasionado(アパショナード)!! II』/ 博多座

行ってきました! 宙組トップお披露目公演である博多座公演へ。完全に帰省ラッシュとは逆の行程になるので予約していた行きの飛行機が小型のものに差し替えられました(^^; 狭いw 台風も去って特に空模様も荒れることなく無事に着きました。

博多座は初めてでしたが地下鉄の駅からすぐなのでいい感じ。今年で10周年だそうです。劇場入り口前にこれまでの公演ポスターの掲示がありました。

では観劇の感想を。

まず『大江山花伝』ですが、これは過去に宝塚歌劇で上演されたものの再演となります。主人公がかなり悲劇的な結末を迎える話で、ちょと『あかねさす紫の花』を思い出しました。昔の宝塚歌劇の和物はこういう感じのが多いんでしょうか? それとも脚本を書いた柴田先生がこういう展開が好きなのか…(『哀しみのコルドバ』もこんな感じだったし)

あらすじとしましては、京都の大江山に棲む鬼の酒呑童子一族が都を荒らしまくるのを源頼光配下の四天王が征伐しにいく中で、四天王の一人・渡辺綱酒呑童子の息子・茨木童子との奇妙な友情と二人の共通の思い人・藤子(藤の葉)への愛を描いたものとなっています。

途中で有名な『一条戻橋(いちじょうもどりばし)』でのエピソードも出てくるし、関西に住む者としては馴染み深い点が多くありました。…東方Projectファンとしても慧音や萃香や勇儀姐さんの顔が浮かんできましたw

鬼と人間の間に生まれた茨木童子が、人として生きたくても鬼の血がそれを許さないという境遇に苦しみながら、最後は藤子と共に愛に殉じる悲劇的な展開が物語に強い印象を与えています。その中で語られる「人間らしく」とはどういうことか? というのが作品の一つのテーマになっています。

全体として主人公である茨木童子の葛藤や人に対する愛が多くを占めていて、お披露目公演としてはぴったりの演目ではないかと思います。できればショーの方も含めて大劇場の本公演で観たいとも思いました。


では出演者ごとの感想を。


茨木童子/ 大空祐飛

ああ、祐飛さんとうとうトップだねえ… 非常に感慨深いものがありました。祐飛さん演じる茨木童子は、少し力が入りすぎの部分もありましたが全体としてクールで格好良く、さらにその奥に深い情愛も秘めている姿が観られて良かったです。こういう悲劇的な主人公は祐飛さんには合ってるかもしれませんね。(でもどっちかというと「パリ空」*1みたいなキャラの方が好きなんだがw) あのラストの「藤子…」って呼びかけて抱きしめるシーンが凄く心に残っています。…あれがやっぱりヅカなんだよなあ… ヅカの男役は「愛」に生きないとね、やっぱり(^^)


藤子(藤の葉)/ 野々すみ花

いや、こちらもトップですよ(^^) 凄いねぇ… 『舞姫』でファンになってから、あれよあれよいう間に頂点まで来ちゃいました。やはりこの子の最大の魅力は天才的な演技力にあると思います。今回の藤子という役も悲劇のヒロインになるわけですが、全体として可憐で一途な姿を演じきっていました。…圧巻は物語最後の一人台詞。今回の公演ラストに急遽行われたトークショーで本人も語っていましたが、ここでは物語の主題となる大事な内容が語られる場面となります。あの長台詞を寸分も狂わず、藤子という可憐な娘が初めて見せる人としての情念の爆発を圧倒的な演技力で演じきっていました。(夜公演では涙も光っていました)

まさに演技の粋を観た感じ。本当に宝塚歌劇の娘役はもとより、将来的にも素晴らしい舞台女優になるのではと思わせる姿でした。


渡辺綱/ 北翔海莉

私の好きな人来ました(^^) 今回も良かったですね〜。こういう真面目で一本気な役もいけてますよ、みっちゃん。ちょっと役とは関係ありませんが、みっちゃんは公演最後のパレードでお辞儀するときに必ず「ありがとうございました」って口元だけでつぶやきますよねえ… 今回の公演もそうだったけど、あれが結構好きなのよねえ(^^) なんか人柄が出てて。


酒呑童子/十輝いりす

こちらはあの猛々しい酒呑童子を、その高い身長も活かして堅実に演じられてました。なかなか鬼の様が感じられて良かったです。…でもちょっとこの役を蘭とむさんが演じる姿も観てみたいかなとも思いました(^^;


胡蝶/ 花影アリス

いやこれは綺麗でしたね。さらに色気もあって「姐さん風情」が凄く良かったです。アリスちゃんっていうとどうしても「可愛い」って印象が強いですが、こういう色気を含んだ役もいけるようになってきたなあと思いました。…なんかついこの間まで新人公演に出てたような印象なんだけどw


千年杉/ 萬あきら

じい様良かったです(^^) なんか今年で定年というお話も聞きますが、できればまだまだ残っていろんな役を演じていただきたいです。


あとの役では若い鬼の羽黒を演じた天羽珠紀さんが印象に残ってるかなあ… あまり宙組の若手男役は知らないんですよね(^^;スミマセン


では続きましてショーの『Apasionado(アパショナード)!! II』の感想を。

以前の月組公演のレポでも書きましたが、私はこのショーが大好きなんですね(^^) (今年も9月に例のヤツやりますが、たぶんこのショーが一番になると思うw) それがまた宙組公演でも観られるということで凄く楽しみにしておりました。

内容は月組の内容に準じたものに新しい要素も加えたものとなっています。あの最初の展開と途中のオ○マパレードも同じw いやとても熱くて楽しかったです。でもやっぱり大劇場と比べると規模が小さくなっているので迫力はさすがに負けるなあ…(^^; これもできれば大劇場の本公演で観たかったです。

主題歌がいいんだよなあ… DVDは高いので帰ってきて梅田のQurtre Rêvesで主題歌CD買いました(^^)
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それと今回の公演ではなんと! 前にも書きましたが急遽、夜公演の最後に主演の二人のトークショーが催されました! うそ〜聞いてないよ〜! 司会の人によると、これまでも何度か博多座公演はありましたが、こういったトークショーが行われるのは初めてとのこと。…いや自分が行った日にやってくれるなんて本当にラッキーでした。

内容はというと、その司会の芸人みたいなオバサンが誘導尋問みたいな質問をするので、正直あまり良くありませんでしたが、その中でもファンからの質問に対して二人が答えた中で印象に残ったものを幾つか記憶を頼りにご紹介。

祐飛さんが舞台に出る上でいつも心がけていることは、演じている表の内容だけではなくその裏にある大きさというものが観客全体に伝わるように(例えば三階席の一番後ろの人にも伝わるように)心がけているとのことでした。

すみ花ちゃんは、作品の主題となっているものを表現する、例えば今回の舞台では最後の一人の長台詞のところが作品の主題となる「人間らしくあるということ」が語られる部分なので、特にそれが伝わるように心がけているといったことを話していました。

終始、祐飛さんはクールで、すみ花ちゃんは天然な姿なのが舞台とのギャップもあって面白かったですw


いや〜これは本公演の『カサブランカ』も楽しみだよ!


ということで感想は終わりですが、一日家を空けただけで、ハロプロや東方やいろんな方面で新しい情報が入っていて浦島太郎状態です(^^; 宝塚歌劇でも来年のラインナップが発表されたようだし…。そのあたりはまた追々書いていきます。

*1:月組で上演された「パリの空よりも高く」