至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

月組公演『エリザベート−愛と死の輪舞(ロンド)−』/ 宝塚大劇場

いや〜観に行ってきましたよ、エリザベート。今回は阪急交通社とサンケイリビング新聞社の貸切公演です。特にサンケイリビング新聞社の方は宝塚ホテルのフレンチ・ランチ付きSS席で3列目の席でした。こんな席でエリザベートを観られるなんて本当に幸せ者だ(^^)

さて、今回の月組による『エリザベート』ですが、宝塚歌劇では7回目の公演となります。初演の雪組から各組一周して、2007年には水夏希主演による雪組で再演されてそれ以来の公演となります。私は本当にこの作品が大好きで、DVDも全組買ったし東宝ミュージカルの公演も観に行ったし、本場のウィーン・オリジナルの公演も観たことがあります(実際に観たのは日本公演ですが)。 それぞれ三者三様に魅力がありますが、中でも宝塚歌劇によるものはその衣装の美しさや華やかさが特に魅力となっていると思います。

今回の月組公演では主演男役の瀬奈じゅんさんが、これまでも花組でルキーニそして同じ月組の前回公演でエリザベートを演じ、そしてトートと一人の演者が主要な三役を務めることになるということで話題となっています。また皇太子役のルドルフが役替わりで演じられることも初の試みであり、さらにタイトルロールのエリザベート宙組の男役である凪七瑠海さんが抜擢されて演じるというのも非常に興味深いといえます。

そんな話題たくさんの公演ですが、全体としての私の印象は「若々しく美しいエリザベート公演」だと感じました。キャストでも今回は専科の方々が存在せず、エリザベート以外は全て月組生徒が演じています。そういったところからも若さを感じたのかもしれません。その他、演出面ではシシィが木から転落して黄泉の世界に引き込まれるシーンが以前の公演と比べて変わるなど、若干の変更もありました。

では、キャストごとの感想を…


・トート(死)/瀬奈じゅん

オープニングシーンの第一印象は、花組のオサトートと同じぐらい「妖艶さ」を身に纏ったトートだなと感じたのですが、最後まで観た後の感想は「非常にバランスの取れたトート」像だったと思いました。私は歴代のトートの中ではズンコさんの“暴君トート”が好きなのですが、アサコトートは妖しく美しく、さらに冷たさとその奥に秘める熱い感情を兼ね備えた存在でした。パフォーマンス的にも歌も上手いし、ダンスもキレがあるし、演技も黄泉の帝王としてのカリスマを感じさせるものでした。演出家の小池先生もプログラムの中で「完成の域に達している」と書かれていますが、確かにその言を納得させるだけのものでした。

またご本人もこの貸切公演の挨拶や雑誌等の中でもおっしゃってますが、今回のトートを演じるにあたり、「シンプルに」演じることに務められているそうです。これは軽く演じるということではなくて、何かに偏ることなく忠実にその存在を演じきるということではないかと思います。感情を込めすぎても歌が上手く歌えなくなることもあるし、その逆もしかり。だから私はシンプルというよりも、非常に「スタンダード」だなあと思いました。これまでに様々なトートを観てきたベテランの観客から、今回初めて公演を観る人にとっても受け入れやすいものだったと思います。

そしてなんといっても美しかった! 今回、髪には赤のメッシュに編み込みのアレンジがされていますが、全体としてはやはり「紫」が基調となっています。その紫の衣装に包まれて歌い踊るトートは本当に人とは違う妖しの者が持つ美しさを放っていました。その美しさが特に印象に残っています。


エリザベート/凪七瑠海

タイトルロールでもあり抜擢のエリザベートですが、私の印象としては「悪くはない」という感じです(^^; …これはねえ、どうしても厳しめの目線になってしまいますよ。だって娘役を差し置いて他の組の男役がわざわざ抜擢されるという異例の事態だから、観る方としてはそれだけのものをどうしても求めてしまいます。ただ日々進化されているのだと思います。この二日間でも前と後では全然違いました。これからもどんどん進化しつづけてほしいと思います。


・フランツ・ヨーゼフ/霧矢大夢

これはさすがでした。もともと歌唱に定評のある人だから安心して聴けます。欲を言えば二幕からはさらに皇帝としての威厳を感じさせるような演技であればと感じました。


・ルイジ・ルキーニ/龍真咲

今回の公演で最も私の期待を上回るものを観せてくれた人。いや素晴らしかったです。前の『二人の貴公子』の感想で「次のルキーニも期待」と書きましたが、その期待を上回る姿でした。ルキーニの狂気と軽妙さのバランスも良く、非常に役に入り込んでいて良かったです。…ちょっと前までは軽い感じがした まさおくんも、すっかり路線って感じですね。過去にルキーニ役を演じた人は皆、トップになっているし…(このままいけば、きりやんも次期トップ候補だし、キムちゃんも将来的にはそうでしょう) このルキーニ役をステップとしてさらに前に進んでほしいと思います。


・ルドルフ/青樹泉・明日海りお

今回、私は もりえさん と みりおくん の二人のルドルフを観ました。もりえさんはルドルフの危なげな運命を感じさせる演技が良かったです。…ちょっと初演の香寿たつきさんを思い出しました。対して、みりおくんの方はもうビジュアルが完璧でした(^^)。まさにプリンスって感じで… それで、パパのきりやんもお目々パッチリだから二人並ぶと親子って言われても、なるほどと思ってしまうw 歌も良かったです。目の前の銀橋をアサコトートと掛け合いながら渡っていく「闇が広がる」は鳥肌ものでした。


これ以外のキャストも素晴らしいものが多かったです。ゾフィーのあいあいもハマってるしねえ…w 「スキャンダルは御免よ!」ってドス効きまくりw それから越リュウパパ若すぎw 格好良すぎw それからマギーさんのシュヴァルツェンベルクがこれまた格好良すぎた(;´Д`)ハァハァ そんでもってまた上手かったのがマダム・ヴォルフ! 誰これ、誰これ? …沢希理寿さん? 男役やん! すっげー! これから要チェックだわ。他にもリヒテンシュタインのゆりのちゃんも良かったし、しずくちゃんの子ルドも可愛かったし、黒天使では園加くんと颯くんが目立ってました。スターレイもヴィンディッシュ嬢もマデレーネも、その他みんなみんな良かったよ〜 …今の月組のレベルの高さを感じました。


と、いうわけで久しぶりのエリザベート公演は素晴らしかったです。何度でも観に行きたいですがチケットが手に入らない〜 まあ人気公演で、しかも公演日数も短くなって役替わりもあるとなればそれも分かりますが、あと一回しか観に行けないのは本当に残念だ。この公演は是非普段宝塚歌劇を観ない人にも観てもらいたいんだけどなあ… 絶対に後悔しないと思う。つーか観たら絶対にハマる!w 間違いなし! 本当にエリザベートだけ特別に二ヶ月ぐらい公演すればいいのに…(^^)


p.s.
SS席はやっぱり良すぎた。ラストのフィナーレで銀橋にみんなが並ぶとこでは、真っ正面が、しずくちゃんとみりおくんでした(;´Д`)ハァハァ この二人綺麗すぎる… ほぼイキかけました