雪組公演『君を愛してる−Je t'aime−』/ 『ミロワール』−鏡のエンドレス・ドリームズ− / 宝塚大劇場
今年最初の観劇は、雪組公演からです。
今作品は、木村信司先生の作・演出です。木村先生の作品はというと独自の主旨に偏った内容のものが多い印象で、人によっては好き嫌いが激しくなるようです。
しかし、今回の作品は、そういった「木村節」はあまり感じられず明るくハッピーな内容で、気軽に楽しめる内容になっています。物語のテーマとしては、古いしきたりによる「結婚」と真の「愛」と、どちらが勝るかといったもので、黒蜥蜴でもテーマになっていた「結婚」が再び登場します。…どうやら、木村先生は「結婚」というのに何か特別な意識を持ってらっしゃるようですね。キリスト教のような「無償の愛」を説くところもあいかわらず。あとは、劇中のフェンシングシーンでの「戦うのは守るため」というところに少し木村先生っぽいところを感じました。
演出としては、今回初めて原作無しで書き下ろした作品ということで、雪組の各生徒に合わせてシナリオが作られており、それぞれ見せ場が用意されているところに細かい配慮を感じました。
ショーは、「鏡」をテーマにしたもので、スタンダードナンバーが所々で使われており、親しみやすいものとなっています。途中、ゴスペラーズメンバー提供のAQUA5の曲も登場します。これは５人のコーラスが綺麗でした。そしてエトワールは音月桂さん。…エトワールって娘役の人がするものとばかり思っていたので、ちょっと驚きました。
では、演者ごとの感想を。
- 水夏希/ジョルジュ・ド・シャレット
久しぶりの水さん。今回はお金持ちの貴族の役。これまで、堕天使の涙のジャン・ポールとかエリザベートのトートとか、どちらかというと憂いのある役が多かった水さんですが（沖田総司は違うけど）、今回はかなり明るくそして３枚目なところもある役です。
こういう役でも「格好良さ」を失わないところは流石だなと思いました。世間知らずだけど純粋なジョルジュの演技が、誠実さも伴っていて良かったです。…あと、かなり歌が上手くなられたような気がします…ｗ キレのあるダンスもあいかわらず。トップスターとして堂々とした姿でした。
- 白羽ゆり/マルキーズ
サーカスの花形スターを熱演しています。前の玉勇の時も思いましたが、となみさんは熱演型ですね。特に今回は物語の中心的存在なだけにその演技が光ってました。影のMVP。ウェディングドレス姿も美しかった。ポトフ美味しそうだったｗ
- 音月桂/フィラント
…木村先生狙って書いてるだろｗ もうキムちゃんの明るく朗らかな魅力をそのまま出したようなキャラクター（笑） 誰が見ても好感を持つような脳天気（失礼ｗ）な役を好演してます。でも、歌は上手いし、芝居も上手いし、言うこと無いですね。クレープ美味しそうだったｗ
- 凰稀かなめ/アルセスト
こちらは打ってかわって優柔不断で気弱な青年の役。ちょっと線の細さを感じさせるテル君には合ってるかも。…でもヘンなヘアスタイルｗ 歌はもうちょっと頑張って欲しいですｗ
- 山科愛/リュシール
シナちゃんｷｬﾜ！ 今回かなり目立ってて可愛かった（＾＾）
- 彩吹真央/アルガン
ユミコさん今回は悪役（というほどでもないけど）で残念（＾＾； でも途中で美穂姉様とコーラスで歌ってくれるし、最後もおいしい見せ場があるので良かった。あの安定感のある歌唱はやっぱり魅力的ですね。
- 美穂圭子/レイチェル
美穂姉様、あいかわらずお美しゅうございます。出番は少ない方だけど、今回もきっちり美声を聴かせてくれます。…ちょっとオチャメなセリフもあるし… 個人的には美穂姉様も最後ハッピーになって欲しかったｗ ショーで銀橋に出てこられたときは正面だったので、双眼鏡でずっと見てました（*＾＾*）←バカ
- 未来優希/レオン神父
いや〜やっぱり流石だわ… ハマコさん。物語にしっかり芯を通す存在。今回は主人公の後見人的な役の誠実な神父さんを、しっかりと深みのある演技で表現されていました。そして、物語の中盤で歌われる『愛について』という歌が素晴らしかったです。貫禄十分、言うこと無し。
その他、主人公の弟役のキタロウ＆かおり夫妻もいい感じだし、さゆちゃんもあいかわらず抜擢されてるしｗ、それぞれ見どころがあります。あーたんも元気そうでしたｗ 正直観る前は、木村先生だけにキツイもんあるかなと思ってましたが（＾＾； あと何回か観に行きたいと思います。
