至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

産みの苦しみだろうか?

ドワンゴ、「アーティスト名:初音ミク」のJASRAC登録で「クリプトンと協議中」


ドワンゴ側は「初音ミクを使った楽曲のJASRAC登録の予定があることについては、クリプトンに当初から伝えてある。先方が知らなかったということはあり得ない」としている。ただ、登録時のアーティスト名については「作家名+featuring初音ミク」と表記するようクリプトンから依頼されており、「初音ミク」で登録されてしまったのは手違いだったと謝罪。アーティスト名については「クリプトン側と協議して対応する」としている。

(中略)

ネット上では「初音ミク楽曲を使用した作品のドワンゴからの着うた配信が、作者と契約がないまま行われた」――という内容の「2ちゃんねる」の書き込みが話題になっているが、これについてドワンゴ側は「クリプトン側の問題であると認識している。現在、事実関係を整理して、まとめているところ」とコメントした。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0712/20/news129.html

どうやら単なる「名前間違い」だけではないような感じ…

今回の本当の問題点はドワンゴ・ミュージックが着うた配信等のサービスのために、初音ミク関連の楽曲をJASRAC管轄とすることをクリプトン及び作者が事前に把握できていたか?」という点だよね。(まあそれは考えれば現状では当たり前のことでもあるのだが)*1

ネット上の作者の発言やクリプトンの社長の発言を見てみると、どうやらその辺りの意思の疎通がうまくできていなかったようだ。(詳細は追ってドワンゴもしくはクリプトン側からアナウンスがあるだろうが)

で、JASRAC管轄になることに対して、何故これだけ反応が大きくなるかというと、次のブログが分かりやすくまとめてくれている。

JASRACと信託契約を結ぶ場合の課題について


現状のスキームにおいて最もまずいのは、「通信カラオケや着うたなどの営利事業の収益の一部はもらいたい、しかし、非営利の利用は自由にやってOK」というライセンス形態をサポートする方法がないということではないでしょうか?


栗原潔のテクノロジー時評Ver2
http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2007/12/jasrac_e385.html

ここにも書いてあるように、JASRAC管轄になってしまうとニコニコ動画で当たり前になっている二次創作やマッシュアップなど全てがNGになってしまうからね。(あと利益配分についても問題視する意見もあるが) …じゃあ、それはナシよとすると、今度は商用利用が難しくなる。

昨日、私がCC=クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのことを書いたときも「印税の回収等とは別の話になるが」と書いたのは、CCはあくまでライセンスのことだけで、お金の回収はしてくれないからね(^^; 結局、商用利用するためにはJASRACという組織を通すのが一番てっとり早いという現状が問題だということ。

ニコニコ動画に作品を投稿している多くの作者は、利益よりも「楽しさの共有」ということを重視する傾向にあるから、もしドワンゴ・ミュージックがJASRAC登録について事前に説明責任を果たしていないのなら、今回のことは背信行為と見なされても仕方ないだろう。ちょっと勇み足過ぎたかな。


うーん、残念だねえ… 今回のことで以前に私が書いたニコニコでの「素人→プロ」っていう道筋が、少なくとも後退した形になったと思う。やっぱり素晴らしい作品を創るクリエイターには、より「広い」世界で活躍できる道筋がニコニコにあって欲しいなと思っていたから残念だ…

もちろん、ずっとニコニコの中で「楽しさを共有」し続けることも、それはそれで素晴らしいことだけれども…

カスラック氏ねや」って言うことは簡単だけれど、それだけだと現状は何も変わらない。本当にクリエイターにとっても、ユーザにとっても、より良き道というものを作る努力をしていかないと…

たとえば、中島みゆきの楽曲はヤマハが管理してるけど、ミクもエンジン作ったのヤマハなんだから、その辺りなんとかしてくれないだろうか(^^;  って、結局、他人任せかよ!(笑)


本当にユーザ主導の管理団体を作るべき時代になってきているのかもしれんね。

*1:12/21 0:17追記 当たり前でもないみたい。選択肢はあるようだ。