至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

「アイドル」…それは普遍的な魅力を持つ者

最初にその騒動について書く前に、久しぶりにトラックバックしてみよう。

しかしその時代との親和性という側面は最近ハッキリと薄れてきたように感じます。例えば今、ネット上のオタコンテンツとして目立っているニコニコ動画。中でも「アイドルマスター」関連のMAD動画(コラージュPV)と、ボーカロイドソフト「初音ミク」(※)に「〜を歌わせてみた」系のエントリーは怒涛の勢いで毎日増え続けています。なのにこれにハロプロの曲がほとんど見当たらない。今のハロプロは、このような「面白いこと」・「新しいこと」に敏感で、しかもクリエイティブな才能を持った人の関心を惹く対象ではなくなっているということなのでしょう。仕方がないとも思いつつ、やはり淋しくは感じるのでした。


えだは / http://d.hatena.ne.jp/tk-mokami/20071014#p1

これについては、私も初音ミクに関心を持ち始めた頃から認識していました(敢えてここでは書きませんでしたが…)
私は最近、ほぼ毎日ニコニコ動画初音ミク系の新作動画をチェックしていますが、初音ミクがブレイクしてから約1ヶ月、発表される作品の中で、ハロプロのものはほぼ皆無と言ってもいい状態です。私が認識しているものでは以下のものぐらいでしょうか…

初音ミクラストキッスを歌わせてみた

http://www.nicovideo.jp/watch/sm1227510

…あとは、松浦亜弥のシングルが少しあったぐらいで他はありません(上記の作者が敢えて『ラストキッス』を選んでいることも注目点ではあるが)
現に実際に初音ミクを手に入れた私でさえ、最初にミクに歌わせようと思ったのはハロプロの楽曲ではなく、宝塚歌劇のものを選択しています。…これは何故なのか?

これは引用したTK氏の言にも一理あります。現状で、ハロー!プロジェクトが巷の関心を惹く対象で無くなっているというのは事実です。これは私自身にもいえること。もし、数年前なら私は真っ先にハロプロの曲を歌わせていたことでしょう… 私が何故そうなったかは、私のここでの更新をずっと読んでいる方はお分かりかと思います。私も淋しいと思いつつ、仕方がないと思っていました。だからハロプロの曲がないことも、ここでは敢えて書きませんでした。だってファンである自分ですらそうなのだから、他の人がとりあげるはずはないと思ったからです。

ただ初音ミクに関して言えば、もともと「職人」と呼ばれるコアな層が最初に食いついたこともあり、まだまだいわゆる「ニコニコ系」の曲が多いのが現状のように思います。例えば「東方系」とか「アイマス系」とか、それこそ毎日ニコニコ動画に常駐していなければ分からないようなものです。私自身、ニコニコ動画によくアクセスするようになったのは最近なので最初はその元ネタが分かりませんでした。

現在、初音ミクで歌われる曲の分布としては、きっちり統計を取ったわけではなく、あくまで私の印象ですが、

「歌わせてみた」系(アニソン、ゲーム系多し)が70%
「懐メロ」系(おっさんホイホイ、過去DTM経験者)20%
オリジナル系(完全自作曲)10%

…こんなところでしょうか。この中で注目すべきは後者の二つです。「歌わせてみた」はとりあえずなんか歌わせてみたというものが多いのですが、後者の二つに関しては、きっちり作られたものが多いです。特に初音ミクが発売されてから何年かぶりにDTM機材に電源を入れたという人もかなりいます(これは初音ミク特集をしたDTM Magazineにも関連する記述があります)

そして一番凄いのがオリジナル系。これは以前の日記でも紹介しましたが、本当にクォリティの高いものがあります。このように初音ミクは、ただ単なる「ヲタのおもちゃ」ではなく一つの「表現ツール」として今、ネットで広く受け入れられているのです。

ところが某TV番組は、それを全く理解せずに不適切な放送をしてしまったがために、今、ネットで批判が集中しているというわけです(^^; (この私ですら「ただのヲタクのお遊びと思ってたらダメですよ(笑)」と書いているのに→id:shijo:20070925:1190735836)

TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ

TBS系「アッコにおまかせ」で「初音ミク」を紹介した特集にネット上で批判が相次いでいる。「ソフト自体とは無関係な『オタク』をおもしろおかしく取り上げるテレビの印象操作にはうんざり」といった声が多い。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/15/news008.html

以前にもここで紹介した、おなじみユカタンですが昨日の放送にブチ切れて速攻で記事にしたのを見た時は笑いましたが(笑)、まあ確かにあの放送は無かった。…いまさらここでマスコミについてどうこういうことは私はしませんが、では何故皆そんなに怒るのか…

これは別にヲタが批判されたから怒っているわけではありません。初音ミクが正当な評価をされないような放送だったから怒っているのです。みんな初音ミクが大好きなんですね。その大好きなものを汚されるような内容を公共の電波を使って昼日中に放送されたから怒っているのです。

これは当たり前だ。好きなものを不当に貶められたら誰だって怒る。では、なぜ皆、初音ミクが好きなのか(好きになったのか)…?


(ここからが今日の更新の本題です。長年モーヲタをやってきた者としての…)


それは

初音ミクが皆のアイドルだからです

ヴォーカロイドはなにも初音ミクが最初ではありません。この前には、MEIKOもあったしKAITOもありました。しかしそれらは皆、大人の声をサンプリングしたものでした。ニコニコ動画でもある程度の作品はあったものの、ミクほどの盛り上がりをみせることはありませんでした。

ではなぜミクがこれだけ受け入れられたのか… 答えはミクがアイドルだからです。年齢16歳という可愛らしい女の子の設定で、声もそれを表現できるものが選ばれています。一番最初に食いついたのは、おそらく先の番組でやり玉にあげられたヲタクでしょう。でもそれだけではないのは、これまでの盛り上がりや今回の騒動を見れば分かるはず… 皆、ミクの歌声を聴いて「俺も歌わせたい!」と思ったのです。じゃあ何故そうなったのか…?


そう、アイドルというのは今も昔も全ての人間に対して普遍的な魅力を持つ者だからです。


だってそうでしょう? 例えば、孫の可愛い女の子が歌を歌ってくれて喜ばないおじいちゃんはいないでしょう? そのおじいちゃんにとっては孫の女の子がアイドルなのです。

昔は、夜に茶の間で家族みんなでテレビを見ているとき、歌番組で可愛い格好で元気よく歌う姿を見て「この子達可愛いね〜」「元気があっていいね〜」と、その姿を皆で愛でるシーンがあった。その中心に存在する者はやはりアイドルだ。

そう、じいちゃんもばあちゃんも父ちゃんも母ちゃんもボクもワタシもみんな好きなもの。それがアイドルなのです。全ての人はその心の奥底で本質的に「可愛くて愛でたいもの」を欲しているのです。それを具現化した存在が言わばアイドルなのです。


かつて、モーニング娘。は「国民的アイドル」と呼ばれた時期がありました。それはまさしく上記のアイドル像を具現化した姿に他なりません。…ところが、現在はそういう存在ではなくなってしまった… これは淋しいけれど事実だ。少なくとも国民的ではなくなってしまった。(これは最初の、ミクで楽曲が取りあげられないという話でも分かる)

だが、そんな時に突然、電子の世界からアイドルがやってきたわけだ。まさしく「みくみくにしてあげる♪」の歌詞のとおりに科学の限界を超えて… それが初音ミクだ。

しかもこのアイドルは、こちらが歌って欲しい歌を歌ってくれるという… これには文字通り皆 みっくみくにされた。そりゃあ誰でも自分が歌って欲しい歌を手取り足取り教えてあげれば、それを可愛い声で結構うまく歌ってくれるとなれば歌わせたくなるよ(笑)

そういった成り行きで初音ミクは、ヲタクはおろか様々な人間の創作意欲を心の奥底から揺り動かす存在となってしまったわけですが、そこにはアイドルであることに加えてさらに「歌」の魅力というものが大きく作用している。


皆また、やはり「歌」が好きなのです。「歌」というのはこれまた人間が作り出した文化の極みであることは皆さんご承知のとおり。

現在はPCの性能も上がって、およそ電子で表現できる音は「Synth1」などを用いればフリーでもデスクトップ上に手に入れられる時代になっています。しかし人間の声で歌われる「歌」だけは、長らく機械では表現できなかったものの一つ。それが技術の進歩とは恐ろしいもので現実に手に入るようになってきた。しかもそれが皆が求めるアイドルの声となれば… 初音ミクのヒットはニコニコ動画とともに必然のタイミングで実現したものだ。


だが、その盛り上がりを素晴らしく思い、自分もその存在に魅せられつつ、心のどこかには、やはり一定の淋しさがつきまとう… それは以前の日記にまた書いたとおり id:shijo:20070925:1190735836  これだけ素人界隈が盛り上がって熱い作品が日々うpされつづけているのに、実際のプロフェッショナルはどうなのか… その熱い気持ちを忘れちゃっているんじゃないのか? いや忘れてないぜと反論されるかもしれない。だがプロにそれは通用しない。なぜなら

「アマチュアは過程を評価されるが、プロは結果を求められる」

からだ。いくら裏で血反吐を吐くような努力をしていたとしても、結果がダメなら評価されない。それがプロだ。そしてずっと評価される作品を提供し続けてこそ「プロ」と呼ばれる者になれる。厳しいがそれがプロの世界だ。

ずばり現在のつんく♂の曲はどうだろうか? 少なくとも先日コンサートで「じゃじゃ馬パラダイス」を聴いたときは魅力を感じなかった。もちろんその1曲だけでつんく♂を評価することはできない。今、ニコニコ動画に素晴らしいオリジナル曲を提供している人は何人かいるが、その人達と比べても、つんく♂の方が偉大なことは間違いない。だが、プロはいつも結果を求められる…


つんく♂に敢えて言う もう一度あの輝きを取り戻してくれ! プロフェッショナルとしての誇りを貴方の曲から感じさせてくれ! あのハロプロ全てがキラキラと輝いていた時を取り戻してくれ!  それが出来るのは貴方しかいないのだから… 


私は初音ミクに歌わせることはできる。しかしモーニング娘。に、高橋愛に歌わせることができるのは貴方しかいないのだから!


…「あきらめた」とか「距離を置く」とか言っても、やっぱりどこまで行っても俺はモーヲタなのかな(笑)


かなりな駄文・長文になってると思うが、言いたいのは最後のとこだ。(あまり読み返さずにうp)