至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

ミュージカル『エリザベート』ウィーン・オリジナル・ヴァージョン / 梅田芸術劇場

ミュージカル『エリザベート』を観に行ってきました。ウィーンのオリジナル・ヴァージョンが日本で上演されるのは、これが初めてです。http://www.umegei.com/erz/main.html

また『エリザベート』は宝塚歌劇でも代表作となっていて、今年は雪組での公演が決定しています。http://kageki.hankyu.co.jp/revue/24/index.shtml

ミュージカル『エリザベート』の詳細については、Wikipedia『エリザベート(ミュージカル)』などに掲載されていますのでそちらをご参考に…。


では、観劇の感想を…

ミュージカル『エリザベート』はヨーロッパでも大ヒットを記録した名高い作品ですが、そのオリジナル・ヴァージョンが日本で観られるのは本当に貴重だと思います。特に梅田芸術劇場での公演は、ウィーン版のセットなどを全てそのまま持ち込んでの完全オリジナル公演ということでも、価値の高いものだと思います。(新宿コマ劇場公演はコンサート・ヴァージョン)

ミュージカル全体としては楽曲の割合が高く、劇の半分以上は歌で占められています。そしてそのミュージカルナンバーがどれも素晴らしい… シーンごとにその内容を象徴する旋律と歌詞で作られた楽曲が、演者の素晴らしい歌唱で表現され、観る者を舞台に引き込みます。

ストーリーとしては、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフと皇后エリザベートの悲劇的な運命を、黄泉の帝王「死(トート)」を絡めて劇的に表現したものとなっています。

私が一番感じたのは、皇后エリザベートがどのような境遇になっても、自分という存在の意義を自分自身で決めるという精神の気高さ、です。人はその人生において、様々な境遇や周囲の関係から自己の意のままには生きられないものですが、シシィ(エリザベートの愛称)の自由に対する気高い精神が一番魅力的に感じました。

こう書くとただ「自分勝手」な人間じゃないかと思われそうです。確かにある意味、シシィは自分勝手な人間と考えられるかもしれません。しかし、体はオーストリア皇后として縛られても、心までは縛られないという精神は、やはり全ての人にとっては魅力的なものではないでしょうか…

観劇しながら思ったのは、女性には特に支持されるだろうなあということ。観客は宝塚歌劇と同じく女性が8割ぐらいでしたが、皆さん、シシィのような心情に憧れるんじゃないかなと思いました。

そのシシィの心情を最もよく表現したのが『 私だけに (ICH GEHÖR NUR MIR) 』という楽曲。

『私は私だけのもの…』と歌われるこの楽曲は、その美しい旋律とエリザベートを演じるマヤ・ハクフォートさんの素晴らしい歌唱とが合わさって、私の心に深く響きました。(泣きました)

このミュージカルの中でも一番の楽曲だと思います。

それからもう一つ、最後近くに歌われる『 夜のボート (BOOTE IN DER NACHT) 』

どれだけ愛があったとしても、二人は別々のボートに乗っている… これは泣けました… 私は『リボンの騎士 ザ・ミュージカル』のレポで、「人を愛することの意義」なんて大それた事を書いたことがあります。id:shijo:20060806
「どんな人間もやがて独りで死んでいかなければならない存在。だから生きているという証を求めて人は人を愛する」…なんてことを書きましたが、ここではフランツとシシィはそこに愛を感じながらも、やはり別のボートに乗っている… お互いが孤独な存在であるということが歌われます。

そして、迎える「死(トート)」だけが、シシィがシシィであることが許される世界だったのか…

これは本当に私の心を打ちました。このことについては、また雪組公演を観たときにも考えてみたいと思います。

ミュージカル『エリザベート』 …その名声に違わぬものでした。まだ不思議な感覚に包まれたような気がしていますが、また落ち着いたら折を見て書いていきたいと思います。

その他

  • 『最後のダンス (DER LETZTE TANZ) 』は水さんが歌ったらめちゃくちゃ格好いいだろうなあ… もう楽しみでしょうがありません
  • マダム・ヴォルフの館ではルキーニが日本語の歌詞で歌うシーンもありました。歌詞に「清く正しく美しく」というフレーズを入れるあたりに観客への心配りが感じられて素晴らしかった。拍手喝采でした。
  • 自分がもし演じるならルキーニをやりたいなとかちょっと思いましたw(←馬鹿)
  • 『闇が広がる (DIE SCHATTEN WERDEN LÄNGER) 』のドイツ語オリジナルがまた格好良かった。皇帝はドイツ語で「カイザー (KAISER)」。カイザールドルフは立ち上がる…
  • 横の字幕を見ながらの観劇でしたが、特に観劇しづらいということはありませんでした。ああいうシステムは海外の作品を観劇するのにいいですね。


高橋愛が『私だけに』を歌う姿を… やっぱり観てみたいな。「歌ドキッ!」にリクエストするか…w
以下は月組瀬奈じゅんさんが歌う『私だけに』。 現在は月組トップスター男役の瀬奈じゅんさんがエリザベート役を演じています。凄い…