至上のブログ ~瑠々に魅せられて~

主にJuice=Juiceの段原瑠々さんに関連する内容です。2014/1/5までは昔の「愛に観せられて」の内容をインポートしています。

旅立ちと挑戦の軌跡

今年は本当に大きな出来事がたくさんあった年でした。高橋愛にとっても年初の卒業発表から今日に至るまで激動の一年であったと思います。十年にわたる歳月を過ごしたモーニング娘。を卒業して、これからは一人の高橋愛としてのキャリアをスタートさせた年となり、彼女の芸能人生の中でも大きなターニングポイントになると思います。

そして卒業後、最初の仕事が帝国劇場百周年記念公演である『ダンス オブ ヴァンパイア』でした。先日千穐楽を迎え、来年は梅田芸術劇場メインホールでの公演が予定されていますが、今日はそれを振り返って一年の締めとしたいと思います。

ミュージカル本編等については初日の感想の時に書いていますので今日は高橋愛についてだけ、さらに今日は冷静に客観的な立場から書くようにしたいと思います。

まず今、率直に振り返っての感想としては「もう少しやってくれると思っていた」というのがあります。これは彼女の舞台での出来という意味でです。うーん、さすがに一人のファンとしては彼女の実力を過大評価しているようなところもあって、実際に舞台上でこれだけ苦しむ?高橋愛の姿を見るのは十年のファン歴を振り返っても初めてかなという感じでした。

ちょうど今、彼女は自身のブログ上でファンの質問に答えまくっていますが、そこでも今回の舞台に対して自分の「実力の無さ」を痛感したというような回答をしています。これは彼女の正直な答えであり、また実際に私も感じたことでもありました。全く歯が立たないということではないですが、やはり長年過ごしたアイドルとしての舞台とミュージカルとしての舞台の違いに気づかされるところがありました。

誤解の無いように最初に断っておきますが、これは単純にミュージカルの方がアイドル舞台よりレベルが高いというような結論の話ではなく、そこにある根本的な違いに対応するのがまず大変であったことがあります。

娘。のステージでは毎回決まったパートをその割り当てどおりに歌えばよく、言ってしまえば個々のルーチンワークであるわけですが、ミュージカルでは生演奏に合わせてセリフからいきなり歌唱に移ったり、共演者との呼吸を合わせたりという表現方法が必要とされます。過去にリボンの騎士 ザ・ミュージカルシンデレラ the ミュージカルで経験しているとはいえ、やはり長年経験したコンサートとミュージカル舞台の違いに適応することの難しさを初日近くの彼女の姿から感じました。

あとはやはり今回の公演を通じて指摘されつづけた声量の部分。声量といってもいろいろありますが、単純に声の大きさという意味では正直マイクの調整で対応できる部分もあるし、全く全体的に小さいというわけでもないので問題は少ないと思います。それよりもミュージカルの歌唱においては高・中・低、どの音域でも自分でコントロールして、よく響かせることができなければならない。どこかに弱点があればそれが目立つことになります。娘。のころのステージではよくメインパートを任されることが多かったですが、それとても高橋愛が他のメンバーよりも歌唱に対してアドバンテージがあったからで、ミュージカルの特にソロ歌唱ではより一掃それが求められることとなります。

現状での彼女の弱点としては、高音部分であるというのが今回の舞台では浮き彫りになりました。リボンの騎士 ザ・ミュージカルの時も実はそれはあったのですが、まだギリギリの音域であったので何とかクリアしていたように記憶しています。しかし、今回のダンス オブ ヴァンパイアは彼女にとって難しい音域の曲があり、そこは公演全体を通じて苦労していたように思います。

これを克服するには、これから修練してそれを出せるようになるか、もしくは出せなくても上手く処理する(・・・ハイトーンであればファルセットで綺麗に響かせるなど)ことができるようにならなければなりません。さらにはそれを長く響かせる・・・、ロングトーンで歌えるようにならなければなりません。それは肺活量の話でもあると思いますが、その面での課題も明らかになったと思います。

このように現時点ではミュージカル俳優としての課題はまだまだたくさんあります。既存の帝劇ミュージカルファンからは厳しい評価をされることもありましたが、それらは甘んじて受けなければならないし、また克服しなければならないことであると思います。

この次に再び帝国劇場の舞台に立つ日はいつになるか分かりませんが、その時は今回以上の表現力を身に付けた高橋愛であることを期待します。今回のように周りの全てがハイレベルの環境で過ごしたことは彼女にとっては素晴らしい経験であり、今後の成長を大いに推し進めるものであったと確信しています。来年以降の彼女の更なる成長を楽しみにしています。

本当に一年間お疲れ様でした。また来年以降もよろしくお願いします。